鮎の塩焼きは、骨まで食べられると知っていますか?居酒屋や旅館で鮎の塩焼きが出たとき、『頭からガブッと丸ごといっていいのか?骨やハラワタは残すべきか』と、思わず手が止まってしまうことはありませんか?

実は、鮎は骨どころか『頭から内臓・尾まで全部』が食べれます
ネットではキレイに骨を抜く裏技なんかも見かけますが、昔から頭から尻尾まで丸ごと全部食べるのが一番うまい!というのが魚好きや食通の常識ですよね
最近では鮎釣りが趣味の人が減り、日常生活の中で食べる機会がめっきり少なくなっていることもあって、いざ目の前にすると戸惑う人も多いはずです。
今回は、鮎の塩焼きを骨まで美味しく食べる方法や、気になる内臓の味わいについて解説!さらに、家庭で焼くときにオーブンで失敗した経験から辿り着いた、外はパリッと中はふっくら仕上がる『グリル』での焼き方のコツも合わせてご紹介します
【鮎の塩焼き】丸ごと『骨』まで食べられる焼き方
しっかり火を通すことで、骨はもちろん、頭や内臓(ワタ)、尻尾までまるごと美味しく食べられる塩鮎の焼き方を紹介します
【1】化粧塩
鮎の塩焼きで一番の見せ場であり、美味しく仕上がるポイントが『化粧塩』です。ヒレや尻尾は焦げやすいため、指に塩をつけてたっぷりと化粧塩をまといましょう。全体の塩加減(塩梅)もここで決まります
【※】串を打う場合
鮎に串を打う場合は、まっすぐ刺すだけでなく、身を軽く波打たせるように『S字(波型)』にうねらせて打つと、焼き上がりが立体的一番キレイに見えます
【2】グリルはあらかじめ『予熱』しておく

冷たい状態のグリルに入えると、皮が網(または受け皿)にペタッとくっついて剥がれてしまいます。必ず事前にグリルをしっかりと温めて(予熱して)から鮎を並べるのが、皮をきれいに残す最大のコツです。
【3】鮎の塩焼きの火加減

火加減は強火ではなく、弱火~中火でじっくりと時間をかけて焼き上げます。片面をしっかり焼いたら、崩れないようにそっと裏返して反対側も火を通したら、頭から骨まで丸ごと食べられます
小さな鮎じゃなきゃダメ?
『鮎は10cm前後の小さい若鮎じゃないと骨が固くて食べられない』とよく言われますが、実は8月後半以降のふっくら育った『子持ち鮎』でも、焼き方次第で頭から骨まで丸ごとペロリと食べられます!
確かに若い鮎の方が骨は柔らかいですが、秋ならではのぷちぷちした卵の食感や濃厚な旨味を知ってしまうと、やっぱり子持ち鮎を丸かじりしたくなりますよね
骨まで食べた『鮎の塩焼き』
本当にこんな大きな鮎の骨まで食べられるの?と疑っているあなたに、この記事を書くために食べた実際の鮎の様子をお見せします。
これが、私が実際に焼いて丸ごと頭から食べた鮎の姿です(画像左下の鮎にご注目ください)

ごらんの通り、お腹の部分の身が割れて、立派な『中骨(背骨)』が完全に露出してしまっている状態です。
しかし、驚くことなかれ。この状態の鮎であっても、私は全く躊躇なく『頭』から尻尾までガブッといきました!
もちろん、喉に小骨が刺さるようなことは一切ありません。口の中で骨はホロホロと崩れ、身の旨味と混ざり合って、むしろ良いアクセントになっていました。
大きな子持ち鮎だから骨が固くて無理なんてことはなく、しっかり焼き上げれば、どのサイズでも、鮎は頭から骨・内臓・尾まで全て美味しく食べられるのです
サイズが大きめの鮎や子持ち鮎であっても、『魚焼きグリルを使ったじっくり加熱』のコツをさえ押さえれば、骨までしっかり柔らかく仕上がります
【炭火の焼き方】究極を求めるなら『七輪で焼く鮎の塩焼き』
ここまで家庭の『魚焼きグリル』を使った美味しい焼き方をご紹介してきましたが、正直に言ってしまえば、鮎の塩焼きを最高に美味しく焼くなら、やっぱり『七輪(炭火)』を使った炭火焼きが最強です
遠赤外線でじっくりと中まで火が通り、皮はパリッと香ばしく、これ以上にない最高の仕上がりになります
鮎の塩焼き(七輪の焼き方)

・・・とはいえ、鮎を焼くためだけに、わざわざ家で炭をおこすのは準備も片付けも面倒くさい!というのが本音ですよね
だからこそ、私の場合はBBQの時に七輪を出して、その『余った炭』を使って夕方にのんびり焼くか、秋の連休の特別な時にだけ楽しむスタイルで焼いています
【1】串を打つ
鮎に塩を振る前に、または振った後に串を打ちます。七輪や炭火で焼くときは、細い竹串だと途中で焦げて折れてしまうことがある(※箇所の焼けた串を見てください※)ため、燃えにくい『金串(ステンレス串)』を使うか、太めのしっかりした串を使いましょう
【※】竹串より『金串』が正解!
ちなみに、七輪で炭火焼きをするときに気をつけてほしいのが『串選び』です。細い竹串を使って焼いていると、炭の近さや火加減によって串そのものが途中で燃えて折れてしまうというハプニングが起きることがあります

実はこれ、細い竹串を使って炭火で焼いたときに起きた『リアルな失敗談』です。
写真の右側(上の鮎の頭から出ている串)をよく見ると、炭火の強さに負けて先端が黒く焦げたり燃えかけたりしているのが分かりますよね
そのため、七輪や炭火でじっくり焼くときは、なるべく太めでしっかりした串や『金串』を使うのが綺麗に焼くコツです!
【2】化粧塩をしっかり施す
ヒレや尻尾の部分には、焦げ防止と見栄えのためにたっぷりと化粧塩をまといましょう。
【3】鮎の塩焼き『炭火時間』
焼き時間の目安は『片側30分、裏返して20分』、強火で慌てて焼くのではなく、じっくり炙ることです。
鮎を安定させ、焼いている途中でクルッと回ってしまうのを防ぐために、『串は2本さす』のがキレイに焼くコツですで、皮はパリッと香ばしく、中はふっくらジューシーに仕上がります
【※】焼く前に網にしっかり油(サラダ油)を塗っておく
七輪で焼くときにうっかりやりがちなのが、金網に鮎の皮がくっついて、裏返すときに剥がれてしまうという悲しいハプニング。せっかくの綺麗な見た目が台無しになってしまいます

金網に直置きするのではなく、焼き鳥台のような専用の架け台を使って網から少し浮かせ、一箇所に皮が張り付かないようにもできます。このように工夫をすると、皮がきれいな状態でパリッと焼き上がります!
【骨の抜き方】鮎の塩焼きを身を取り出す方法
しっかり時間をかけて焼き上げた鮎は、頭から尻尾、そして中骨まで柔らかくなっているのでそのままでも丸ごと頭から食べられます。でも、実はちょっとしたコツを知っていると、中骨が気持ちいいほどスルッと綺麗に抜けます

中骨が綺麗に抜けると、あとは上品な身の塊としてパクッと食べやすくなりますし、残った骨や頭も香ばしくスナック感覚で美味しくいただけます。鮎の食べ方(骨の抜き方)を知っていると、鮎の塩焼きが何倍も楽しくなりますよ
【1】軽く、箸で全体を押す
まずは箸で身を軽くほぐすように、全体を優しく押しておきます
【2】尾を取る(ねじる)
尾びれを持ってクルッとねじりながら取ります。
もちろん尾も香ばしくて食べられますが、ここであえて取っておくことで、中骨が圧倒的に抜きやすくなります
【3】軽く頭をねじって引っ張る
頭を優しく持って、クルッとねじりながらスッと引っ張ります。
※このとき、骨と頭がパキッと外れてしまわないように少しだけ注意しながら引くと、中骨が頭と一緒にするっと気持ちよく抜けます!
【※】お店のマナー
お店で鮎の塩焼きをいただくときは、しっかり火が通って骨まで柔らかいからこそ、内臓の苦みも含めて昔から全部丸ごと楽しむのが定番です。もちろん、頭や尾びれは無理に食べずに、お皿に残しても大丈夫です
【補足情報】時期で変わる!鮎の味わい3つのシーズン
鮎のシーズンは初夏から秋の終わり頃まで続き、時期によって『楽しむべきポイント』がガラリと変わります
ちなみに、この記事で焼き方や美味しさを紹介している鮎は、すべてこの3番目の『子持ち鮎(8月後半以降)』です!
若鮎(初夏:6月頃~7月前半)

解禁直後のシーズン初期に獲れる、まだ体が小ぶりで若い鮎。骨が非常に柔らかく、身に上品な香りがあります。苦みが少なく、丸ごと食べる初心者にも食べやすい時期です。塩焼きはもちろん、天ぷらなどにもよく合います
盛夏の鮎・落ち鮎の手前(7月後半~8月中旬)

餌をたくさん食べてグッとサイズが大きくなり、身がしっかり肥え太る時期。鮎特有の香気が一番強くなります。川底の苔をたっぷり食べているため、内臓のほろ苦さと身の旨味のバランスが最高潮になるシーズンです
子持ち鮎(8月後半~10月頃)

鮎は産卵のために川を下る時期(落ち鮎)に、お腹にぎっしりと卵を蓄えた『子持ち鮎』になります。ぷちぷちとした卵の食感と、濃厚でコクのある味わいが最大の魅力です。卵、そして独特の苦みが一体となる、食通も唸る至高の時期です。
今年の秋は、家庭のグリルで『子持ち鮎の丸ごと塩焼き』を楽しもう!
今回は、鮎の塩焼きを『骨まで丸ごと食べる』ための魅力や、家庭の魚焼きグリル、七輪を使った美味しい焼き方をご紹介しました。難しそうに見える鮎の塩焼きですが、コツさえ掴めばオーブンよりも魚焼きグリルで手軽に、かつ香ばしく外パリ中フワに焼き上げることができます
特に8月後半以降に味わえる『子持ち鮎』は、ぷちぷちの卵と濃厚な内臓の苦みがたまらない、大人の贅沢。今年の秋は、ぜひご自宅のグリルで頭から尻尾までガブッと丸かじりしてみてくださいね!
















