中央競馬の牝馬クラシック、牝馬三冠を達成した名馬と三冠馬になれなかった馬を紹介。どのような牝馬が三冠を達成できたのか、傾向と理由を解説します
【桜花賞・オークス勝利後】三冠馬になれなかった馬は?
歴史上、2冠で秋華賞へ挑んだ牝馬は9頭、7頭が三冠牝馬になりました。三冠馬になれなかった馬は、スターズオンアースとブエナビスタの2頭です。桜花賞、オークスを連勝して秋華賞に向かいましたが、優勝することができませんでした
牝馬三冠 | 達成馬 | 秋華賞 | 優駿牝馬 | 桜花賞 |
達成:2023年 | リバティアイランド | 1着(1人) | 1着(1人) | 1着(1人) |
失敗:2022年 | スターズオンアース | 3着(1人) | 1着(3人) | 1着(7人) |
達成:2020年 | デアリングタクト | 1着(1人) | 1着(1人) | 1着(2人) |
達成:2018年 | アーモンドアイ | 1着(1人) | 1着(1人) | 1着(2人) |
達成:2012年 | ジェンティルドンナ | 1着(1人) | 1着(3人) | 1着(2人) |
達成:2010年 | アパパネ | 1着(1人) | 1着(1人) | 1着(1人) |
失敗:2009年 | ブエナビスタ | 降格(1人) | 1着(1人) | 1着(1人) |
達成:2003年 | スティルインラブ | 1着(2人) | 1着(2人) | 1着(2人) |
達成:1986年 | ※メジロラモーヌ | 1着(1人) | 1着(1人) | 1着(1人) |
桜花賞、優駿牝馬(オークス)を勝利して2冠を獲得、その後、三冠牝馬に挑戦した成績を一覧表にしました
三冠失敗:スターズオンアース
スターズオンアースは秋華賞を出遅れ、猛追して追い上げましたが、届かず3着でした。出遅れなければ三冠馬になれていた事でしょう
三冠失敗:ブエナビスタ
ブエナビスタは秋華賞を2着に入選しましたが、ブロードストリートへの走行妨害で3着降着。三冠牝馬になれませんでした
【歴代】牝馬三冠の達成馬(牝馬クラシック路線)
牝馬三冠 | 達成馬 | 騎手 | 秋華賞 | 優駿牝馬 | 桜花賞 |
2023年 | リバティアイランド | 川田将雅 | 1着 | 1着 | 1着 |
2020年 | デアリングタクト | 松山弘平 | 1着 | 1着 | 1着 |
2018年 | アーモンドアイ | C.ルメール | 1着 | 1着 | 1着 |
2012年 | ジェンティルドンナ | ※岩田康誠 | 1着 | 1着 | 1着 |
2010年 | アパパネ | 蛯名正義 | 1着 | 1着 | 1着 |
2003年 | スティルインラブ | 幸英明 | 1着 | 1着 | 1着 |
1986年 | ※メジロラモーヌ | 河内洋 | 1着 | 1着 | 1着 |
牝馬三冠の達成馬:史上7頭
牝馬三冠を達成した馬は史上7頭です。ジェンティルドンナ以外、騎手は継続騎乗で勝利しています
史上初の三冠牝馬:メジロラモーヌ
史上初、三冠を達成した牝馬はメジロラモーヌ(1986年)です。メジロラモーヌの時代は、三冠目が秋華賞(創設:1996年)ではなく、現在のエリザベス女王杯でした
史上2頭目:スティルインラブ
秋華賞の創設以降、初の三冠牝馬がスティルインラブ(2003年)です。メジロラモーヌの三冠達成から17年後の出来事でした
史上3頭目:アパパネ
史上3頭目の三冠牝馬はアパパネ(2010年)です。G1史上初、アパパネは1着同着にてオークスを勝利と稀有な条件から三冠を達成しました
史上4頭目:ジェンティルドンナ
史上4頭目の三冠牝馬はジェンティルドンナ(2012年)です。ジェンティルドンナの騎手はオークスが川田将雅、桜花賞、秋華賞が岩田康誠ジョッキーです。
史上5頭目:アーモンドアイ
史上5頭目の三冠牝馬はアーモンドアイ(2018年)です。アーモンドアイは桜花賞、オークス、秋華賞に加え、ジャパンカップと天皇賞秋を2回、海外のドバイターフを勝利。後にG1を8勝しています
史上6頭目:デアリングタクト
史上6頭目の三冠牝馬はデアリングタクト(2020年)、一度も負けず、無敗で三冠牝馬となりました。強くたくましく美しく、三冠馬となったデアリングタクトは怪我に悩まされ、復帰後に1度も勝つことができず引退をしました
史上7頭目:リバティアイランド
史上7頭目の三冠牝馬はリバティアイランド(2023年)です。川田将雅がお嬢さんと呼ぶほど、素敵な牝馬でしたが、クイーンエリザベス2世カップ遠征時に予後不良(2025年)。リバティアイランドは繁殖牝馬になる前に天国へと旅立ちました
【三冠牝馬の傾向】桜花賞・オークス・秋華賞を勝つ牝馬とは?
三冠牝馬とは桜花賞、優駿牝馬(オークス)、最終戦の秋華賞の全てを勝利した牝馬に与えられる称号です。各G1レースを優勝した牝馬の条件と傾向をより詳しく下記にて解説をします
桜の女王:桜花賞馬の共通点
桜花賞を優勝した牝馬の前走は様々。阪神JFから直行したリバティアイランド、リステッドから勝ち上がったデアリングタクト、チューリップ賞の負け組から逆転したジェンティルドンナ等、桜花賞馬のローテは多岐にわたります
絶対能力以外の観点になりますが、桜花賞馬は当日の馬体重が460kg以上です。馬格が小柄な牝馬が勝てない傾向が長らく続いています
樫の女王:オークス馬の共通点
桜花賞を優勝後、オークスを勝利した樫の女王は『東京競馬場:上り3ハロン33秒台』の実績を持つ牝馬が多い傾向が有。桜花賞から800mの距離延長となるオークスは東京競馬場に対する適正:有、無によって着順に大きく差があります
桜花賞から優駿牝馬を連勝した場合、75%以上の確率で三冠牝馬になっています。
秋華賞馬の共通点
桜花賞、オークスを連勝した牝馬は、秋華賞トライアルを経由せず、G1直行する事が一般的です。オークスから秋華賞へG1直行した場合の好走パターン、1着となった牝馬の傾向は『オークス当日:2番人気内』が目安です
※尚、特定の馬、騎手、馬券を推奨をしている訳では無い点をご了承ください