昆虫の一生は春に生まれて秋までに卵を産む。そして冬には寿命を迎える成虫が大半です。昆虫によってはカブトムシのように幼虫で冬越しする種族もいますが、クワガタのほどんどが成虫で冬越しする昆虫です。
成虫で冬越しするクワガタの種類は?
学校でカブトムシは幼虫、クワガタは成虫で冬越しすると習ったけど、クワガタは種類や成虫になった時期によっては冬越ししません。簡単に言うと、成虫になってからの寿命が長いクワガタは冬越しできるけど、短命なクワガタ、たとえば、ミヤマクワガタは冬前にお亡くなりになってしまいます
種類 | 冬越し | 冬眠 | 成虫の寿命 |
オオクワガタ | ◎:する | ◎:する | 3~5年 |
コクワガタ | 〇:する | 〇:する | 2~3年 |
ヒラタクワガタ | 〇:する | 〇:する | 3~4年 |
ノコギリクワガタ | ×:例外:有 | ×:例外:有 | 3ヵ月 |
ミヤマクワガタ | ×:例外:有 | ×:例外:有 | 3~6ヵ月 |
コウチュウ目クワガタムシ科オオクワガタ属の「オオクワガタ」と「コクワガタ」、「ヒラタクワガタ」は冬になると冬眠して冬越しができる昆虫ですが、クワガタムシ科に所属するノコギリクワガタやミヤマクワガタは、成虫になってからの寿命は短く、私たちが目撃する姿になってからは冬を越す事が基本的にできません
この種類が違うから何故?という疑問は「猿とゴリラは見た目は似てるけど、結婚しても子供はできない」のと同じように、クワガタも「ノコギリクワガタとコクワガタのハイブリッドな子供は生まれない」という風に考えると、別の生き物だと理解しやすいかと思います
学校で習った「クワガタ=成虫で冬越しする」のは、オオクワガタやコクワガタが分類される「オオクワガタ属」のお話、クワガタムシ科の昆虫は違うよ!という結論です
オオクワガタの冬越し方法!冬眠する温度・時期と期間、目覚める時はいつは?
オオクワガタの冬越しと冬眠期間中の飼育方法です。オオクワガタは気温・温度が10度より低くなると冬越しをする準備をし、11月~翌年の3月頃まで冬眠します。いつオオクワガタが目覚めるの?と思った方は、温かくなる春の時期、3月~4月が目安です
オオクワガタ | 冬眠の温度と時期 |
冬眠準備の温度 | 10度以下 |
冬眠中の飼育温度 | 5度前後 |
冬眠時期 | 11月 |
冬越し期間 | 11月~3月 |
目覚める時期 | 3~4月 |
こちらがオオクワガタの冬眠サイクルをまとめた表です
オオクワガタは、一旦、冬眠を開始したな!と思っても、温度が15度くらいになると「春が近い!」と間違えて、目覚めてエサを食べに起きてしまう事があり、温度管理が飼育に重要な話になってきます
コクワガタの冬越し方法!冬眠期間と温度、目覚める時期はいつ?
コクワガタ | 冬眠の温度と時期 |
冬眠準備の温度 | 10度以下 |
冬眠中の飼育温度 | 5度前後 |
冬眠時期 | 11月 |
冬越し期間 | 11月~3月 |
目覚める時期 | 4~5月 |
オオクワガタの仲間のコクワガタは、寒さに強い昆虫で冬越しができます。コクワガタは温度が10度より低くなると冬越しをする準備をし、11月~翌年の3月頃まで冬眠します
沖縄のクワガタは、1年中生きているなど!温かい地域では例外がありますが、沖縄産のリュウキュウコクワ→沖縄以外で飼育する時でも、ちゃんと冬眠します
ヒラタクワガタの冬越し方法!冬眠期間と温度、目覚める時期はいつ?
ヒラタクワガタ | 冬眠の温度と時期 |
冬眠準備の温度 | 10度以下 |
冬眠中の飼育温度 | 5度前後 |
冬眠時期 | 11月 |
冬越し期間 | 11月~3月 |
目覚める時期 | 4~5月 |
ヒラタクワガタは西日本、どちらかというと九州や四国に多いクワガタで本州にお住いの方は購入するしか、めったに出会えないクワガタ。温かい地域がお住いのクワガタですが、ヒラタクワガタも、温度が10度より低くなると冬越しをする準備をし、11月~翌年の3月頃まで冬眠します
ココまでが日本で有名な冬越しデキるオオクワガタ属のクワガタの冬眠と飼育方法です。次は成虫になると冬までに寿命を迎えるノコギリクワガタ、ミヤマクワガタの冬越しについてです
ミヤマクワガタの冬越し方法!冬眠する遅生まれな秋ミヤマと未後食タイプ
ミヤマクワガタ | 春ミヤマ | 秋ミヤマ | 交尾前もミヤマ |
冬眠・冬越し | ×:しない | 〇:する | △:する |
生まれた時期 | 春生まれ | 秋生まれ(未後食) | 春・秋 |
冬眠準備の温度 | × | 〇:10度以下 | 起きてる |
冬眠中の飼育温度 | × | 5度前後 | – |
冬眠時期 | × | 11月後半~ | – |
冬越し期間 | × | 12月~3月 | – |
目覚める時期 | × | 4~5月 | – |
ミヤマクワガタの冬眠と冬越しは、するタイプとしないタイプに分かれます。ミヤマは成虫になってからは、3ヵ月から6ヵ月くらいが寿命で遅くても12月頃に天命を迎えます
しかし、ココでお亡くなりになるミヤマは「4~5月に生まれた春生まれ」のミヤマクワガタが大半です。ミヤマは成長が遅く、「9~10月生まれの秋生まれ」や「エサをまだ食べていない未後食」な場合があり、完全に大人になりきっていないモノが存在します
この多くが「冬越しをするミヤマクワガタ」であり、このタイプは冬眠をします。簡単に言うと「夏に発見した野生のミヤマ」と「ご飯を食べちゃった飼育中のミヤマ」は冬越ししないと考えて問題ないです
また、ミヤマクワガタの中には交尾前のメス、交尾をしていないオスが「9月頃に捕まえた→そのまま春まで生きていた」という事例が多くあり、生物として役割がまだある!
このタイプのミヤマクワガタが生きているケースがあります。野生では生き残れないと言われますが、飼育するなら、特に冬眠せずに冬を越すモノと、冬眠するタイプの2つがいるっというのが交尾前のミヤマクワガタです
ノコギリクワガタの冬越し方法!未後食タイプは可能性:有
ノコギリクワガタ | 未後食 | |
冬眠・冬越し | ×:しない | △:する |
生まれた時期 | 春生まれ | – |
冬眠準備の温度 | × | 起きてるor冬眠 |
冬眠中の飼育温度 | × | 5度前後 |
冬眠時期 | × | 10月、11月 |
冬越し期間 | × | 11月~3月 |
目覚める時期 | × | 4~5月 |
ミヤマクワガタと同様に、ノコギリクワガタの一部は冬越しします。大半のノコギリクワガタは成虫になってから3ヵ月が寿命。9月、10月までにはお亡くなりになります
ノコギリクワガタが冬越しした事例は、少ないけどある!と言う程度で、ノコが春まで生きているのはレアな事です。ただし、ネットなどで購入できる「飼育で幼虫を育てた9月以降生まれの未後食タイプのノコギリクワガタ」は、冬眠→春に目覚めるという事が近年、よく目撃される情報です
さて、クワガタの冬越しと冬眠について詳しく解説しました。オオクワ、ヒラタ、コクワは冬越しOKだけど、野生の山や公園でとってきたミヤマとノコは秋を過ぎると死んでしまう。だけど、稀に変わった環境や育ちをしたミヤマとノコなら、冬越しするよ!!というのが結論です