かぐや姫は実話か、架空の物語かという内容を紹介します。かぐや姫が登場する竹取物語は日本最古の文学とされ日本で誕生したオリジナルストーリーとされますが、中国由来の七夕伝説とシナリオやキャラ設定がリスペクトされてる箇所が多く見受けられます
【実在】かぐや姫は実話?架空の物語のどっち?
かぐや姫が登場する竹取物語は平安初期(9世紀~10世紀前半)に書かれた文学、日本発祥のフィクション(架空の物語)です。かぐや姫が月に帰るストーリーや正体が月の都の姫である事を明かす点からも、実話でなく作り話と言えます
実話を元ネタにした文学では?
かぐや姫の物語が、実話を元ネタにした文学であるかは不明です。理由は、竹取物語が書かれたおおよその時代判明していますが、作者が不明であるからです
竹取物語 | 平安初期の文学 |
作者 | 不明 |
作者不明であれば、当然ながら『なぜ?かぐや姫の物語を書いたのか』といったインタビューや備忘録も発見されていないからです
かぐや姫の誕生日が7月7日とされる事がありますが、7月7日の誕生日は『全日本竹産業連合会が記念日に制定(1986年)』した為です。特に根拠はなく、この日が一般的に知られるようになり、かぐや姫が実話か、架空の物語か、微妙な認識が生まれたと言っても過言は無いでしょう
竹取物語の作者不明
竹取物語は恋愛要素がある点、美しい女性の切ない人生を描く様子から、作者は女性かもしれませんね。男性が思いつくストーリーとされると違和感を感じます
竹取物語は日本発祥のオリジナル作品ではあるものの、よく読み、時代背景を加味すると『中国の七夕伝説』とよく似た箇所があり、シナリオやキャラ設定が酷似しています
【理由】なぜ?かぐや姫は『不老不死の薬』を持っていた?
かぐや姫は月に帰る前に、翁(おじいさん)と帝に『不老不死の薬(もしくは、不死の薬の薬)』を渡します。物語では『かぐや姫が月に帰るのなら、不死になっても意味がない』と言い、富士山で薬を燃やします
しかし、なぜ?かぐや姫は『不死の薬』を持っていたのでしょうか。その理由は、かぐや姫の話と無関係とされる七夕伝説が関連しています。平安時代にすでに日本に伝わっていた七夕の要素を、作者が取り入れたのでしょう
物語 | 登場人物 | 物語の類似点 |
竹取物語 | かぐや姫 | 不老不死の薬を最後に渡す |
七夕伝説 | 織姫の祖母 | 不老不死の薬がある国の仙女 |
中国の七夕伝説とは、織姫(織女)と彦星(牽牛織女)の物語、織姫が彦星と年に1度、七夕の日にしか会えなくなるストーリーが有名です。織姫と彦星を引き離す天帝(織姫の祖母)は『仙女:西王母』がモデル人物、織姫は西王母の娘が生んだ娘(外孫)です
不老不死の薬:所有者は『仙女:西王母』
中国で不老不死の薬があると伝えられた仙境が東の蓬莱山と西の崑崙山。崑崙山の仙人のトップが西王母です。当然ながら、言い伝えに『不老不死の薬を持っていた』と書かれます
他、史実に基づいた物語なら唐物語(第16節付近)に、不死の薬を求めていた武帝に西王母が届けに行く話があります。西王母は旧暦7月7日に武帝の元に訪問する予定でしたが、到着したのが旧暦8月15日の日と書かれています

不老不死の薬とは正体は『桃』
西王母が持っていた不老不死の薬とは正体は果物の桃です。中国は古代から、果物の桃に『若返りの効果がある』と考えられており、老化を遅らせるには桃を食べる。お肌の調子をよくするなら『桃』でしょう!という信仰がされていました
唐物語も同様、西王母が武帝に届ける不老不死の薬は『桃』と書かれています。
このお話は、桃太郎のおじいさんとおばあさんが若返る話と共通です。川で洗濯をしていたら桃が流れてきた。中をわったら桃太郎がいたのではなく、桃を食べて若返ったから『おじいさん、おばあさんに子供が生まれた』という内容が桃太郎の原文です
※明治時代に桃太郎を国語の教科書に載せたら『先生が子供に若返るとなぜ?子供がうまれるのか』を説明できず、クレームが多く桃太郎のお話は『桃から生まれた』と改変しています
かぐや姫が月に帰った日は旧暦8月15日
旧暦7月7日が七夕であり、旧暦8月15日は中秋の名月(現在の十五夜)、かぐや姫が月に帰った日です。西王母が不老不死の薬を届けた日と、かぐや姫が不老不死の薬を渡した日が一致していますよね
簡潔に結論を述べると、竹取物語の作者は『かぐや姫を、七夕の織姫』とキャラ設定していたのではないでしょうか。かぐや姫の正体(モデル)が織姫なら、織姫の祖母が『不老不死の薬』を持つ国の出身の為、かぐや姫が不老不死の薬をもっていても設定上おかしくありません
むしろ、伏線が張られた天才的な企画力ある作品が竹取物語と言えます