美しい女性に成長した『かぐや姫』は5人の男性から猛烈に求婚をされます。かぐや姫は結婚の条件として5つの宝を要求します。今回は、かぐや姫が要求したものをご紹介します
【5つの宝】かぐや姫が要求したものは?
かぐや姫が要求したものは、石作皇子:仏の御石の鉢、車持皇子:蓬莱の玉の枝、阿部右大臣:火鼠の裘、大伴大納言:龍の首の珠、石上中納言:燕の子安貝の5つの宝です
5人の貴公子 | 要求したもの |
石作皇子 | 仏の御石の鉢 |
車持皇子 | 蓬莱の玉の枝 |
阿部右大臣 | 火鼠の裘 |
大伴大納言 | 龍の首の珠 |
石上中納言 | 燕の子安貝 |
かぐや姫が要求したものは、入手困難なものやこの世に存在しないものばかりでした。簡潔に述べると、結婚を断る口実として無理難題を与える事が目的でした
【かぐや姫の要求】石作皇子に『仏の御石の鉢』を要求
かぐや姫が石作皇子に要求したものは『仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち)』です。仏の御石の鉢とはお釈迦様、もしくは、仏教の開祖ガウタマ・シッダールタが所有していた『紺青色に輝く鉢』です
仏の御石の鉢(ほとけのみいしのはち)
仏の御石の鉢があるとされた場所は現在のインド。当時は天竺(てんじく)とよばれ、日本からは海を渡らねばなりません
石作皇子は無理だと察して『贋作を作る事』で解決しようとします。贋作とは偽物の事、石作皇子は山寺に鉢を3年間、わざと放置させて古い鉢にみえるものを作ります
かぐや姫は『これが本当の仏の御石の鉢なら光るはず』と言い、光を放たない鉢を贋作だと見破り求婚を断りました
【かぐや姫の要求】車持皇子に『蓬莱の玉の枝』を要求
かぐや姫が車持皇子に要求したものは『蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえだ)』です。蓬莱の玉の枝とは蓬莱山にある不思議な木、根は白銀、茎は黄金できた代物です
蓬莱の玉の枝(ほうらいのたまのえだ)
物語によると蓬莱山は東の海にあるとされますが、中国の伝説にある仙人が住む秘境が蓬莱山です。根は白銀、茎は黄金の木の枝すら存在するか不明、また、蓬莱山の場所は現在でも判明していません
車持皇子は『金の力』で解決しようとします。貴族でお金持ちの車持皇子は、全財産を使って鍛冶師に蓬莱の玉の枝を作らせます
石作皇子と同様に贋作造りをお金で実行したのが、車持皇子です。当然、車持皇子も見破られ結婚を断られます
【かぐや姫の要求】阿部右大臣に『火鼠の裘』を要求
かぐや姫が阿部右大臣に要求したものは『火鼠の裘(ねずみのかわごろも)』です。火鼠の裘とは唐(中国)にある火であぶっても燃えないネズミの皮、一説によると『燃えない羽衣』とされます
火鼠の裘(ねずみのかわごろも)
火鼠の裘(ねずみのかわごろも)と言われても、イメージがわきません。現代のゲーム風に述べると『火属性の衣』であり、火魔法や炎を無効化する効果を持つ衣類です
当然、架空の衣が存在するはずもなく、阿部右大臣は困りめんどくさい女と思います。もういいやと思った阿部右大臣は『とりあえず、唐(中国)に使者を派遣』します。唐で売ってたら買ってきてと少し投げやりな方法で火鼠の裘を探します
こんな様子で火鼠の裘を探した結果、唐の国で偽物の火鼠の裘をつかまされます。かぐや姫は阿部右大臣が持ってきたネズミの皮に火をつけ、燃やして偽物だと見破ります
【かぐや姫の要求】大伴大納言に『龍の首の珠』を要求
かぐや姫が大伴大納言に要求したものは『龍の首の珠(りゅうのくびのたま)』です。龍の首の珠とは、龍(ドラゴン)が首飾りにしている5色の輝く龍珠、霊力、不老不死、富、権力、名誉を得るとされます
龍の首の珠(りゅうのくびのたま)
大伴大納言は他の求婚者と違い贋作や偽物を作りませんでした。勇気を奮い立たせ、海を渡り龍の首の珠を探す旅に出かけます
不幸な事に大嵐に襲われ、南海の孤島に到着。大伴大納言は遭難後に、病気にかかり『竜の呪いだ』と考えた結果、かぐや姫の求婚を諦めます
【かぐや姫の要求】石上中納言に『燕の子安貝』を要求
かぐや姫が石上中納言に要求したものは『燕の子安貝(つばめのこやすがい)』です。燕の子安貝とは安産祈願が込められたお守り、鳥の燕が持っているとされる巻貝です
燕の子安貝(つばめのこやすがい)
燕の子安貝が、ツバメが卵を産むときにできると噂を聞きつけた石上中納言は、部下にツバメが巣をつくるところから監視をさせます
巣をつくった燕が子供を産むかと確認する為に、石上中納言は屋根にのぼって巣の中で『燕の子安貝らしきもの』を見つけます
しかし、そこにあったものは『燕の糞がついた貝殻』でした。かぐや姫に見せると『糞がついてるもの』はいりませんと求婚を断られます