小松菜やほうれん草に似た「つるむらさき」とは、どんな野菜なのか
稀に7月~9月頃にスーパーや産直で見かける変わった葉野菜⇒名前を見るとツルムラサキと書いてあり、お値段は小松菜より安い時があります。
つるむらさきが良く分からないから、買うのをためらいがちですが
つるむらさきとは、モロヘイヤに近い独特のネバリがあり、スープの具材やお浸しにピッタリの野菜です。
今回はつるむらさきを美味しく、下処理・下ごしらえの方法⇒つるむらさきのゆで方とゆで時間をたっぷり紹介します。
つるむらさきが何だかよくわからん!と思う方向けに、つるむらさきとはこんな野菜だよ!特に毒性はないよ!という豆知識も含めて、詳しく解説します
鍋⇒つるむらさきの根元・葉⇒つるむらさきのゆで方とゆで時間は何分?
つるむらさきのゆで方とゆで時間は何分が良いのか。つるむらさきの食べ方が分からない!つるむらさきは、緑黄色野菜でありβカロテンが豊富⇒根元の茎と葉が食べられる部分であり、お浸しや胡麻和えが美味しい食べ方になります
つるむらさきのお浸し、胡麻和えを作るには、お鍋で茹でる⇒合えるという作り方となりますが
つるむらさきは何分くらい茹でたらいいのか。簡単に説明すると、
つるむらさきのゆで方はほうれん草より、小松菜の方がよく似ています
つるむらさきをお浸しや胡麻和えにするときは、ゆで時間は茎⇒1分、葉の部分は30秒で十分に美味しく、食べる事ができます
つるむらさき | ゆで時間 |
根元 | 60秒 |
葉 | 30秒 |
合計 | 60秒 |
つるむらさきのゆで方でおすすめの方法は、根元だけ先に30秒⇒ゆでた後に、つるむらさきの葉を追加して、30秒ゆでる=合計で1分が茹で時間になります
【1】根元に包丁で細かい十字の切り込みをいれる
【2】長い根があったら切り落とす
【3】根元を水で揉んで洗う
【4】根元の真ん中を輪ゴムで止める
上記の【1】~【4】で、つるむらさきの根元⇒茎を茹でる準備が完了です
根元をゆでる時は、つるむらさきの葉の部分を手で持ち、沸騰した鍋に浸ける感じで茹でます
【5】つるむらさきの根元を30秒ゆでる
【6】つるむらさきを菜箸で沈める
【7】つるむらさきの根・葉を30秒ゆでる
【8】ゆでたら冷水に浸ける
【9】冷水からあげてぎゅっと水気を絞る
上記の【5】~【9】で、つるむらさきの葉・根元の下ごしらえ⇒ゆでたつるむらさきが出来上がりです
根元⇒葉の部分の順番で茹でますが、塩ゆでの塩の量はどのくらいがいいの?いう方向けに、つるむらさきを塩ゆでする時のベストな塩と水の量を説明します
つるむらさきの塩ゆで⇒お鍋の水と塩の量はどのくらい?
つるむらさきを塩ゆでする時のお鍋の水と塩の分量が分からない。初心者が覚えやすい塩ゆでの黄金比率は、水1リットル(1000ml)に対して『塩:大さじ1=15g』の割合です
つるむらさきの塩ゆで | |
水 | 1000ml |
塩 | 15g |
割合でいうと、つるむらさきの塩ゆでの塩の量は「水の1.5%の量」です。1リットルの水なら丁度、塩は大さじ1の分量が15gですので、覚えやすいかと思います
つるむらさきが合う献立の料理メニューは?
つるむらさきが合う献立の料理メニューは、お浸しや胡麻和え、スープの具材にすると美味しいです
つるむらさきをどうやって食べたら良いか迷った時は、小松菜とほうれん草で作るメニューが相性が良いです
特につるむらさきは小松菜と比べて、葉が大きく、肉厚⇒茹でると粘り気があり、ネバネバした食感である、モロヘイヤのような味わいです
茹でた後に、醤油と鰹節で食べると、めちゃくちゃいい感じ。夏の季節に食べると、風流だなぁと思います
つるむらさきは茹でるとネバネバするので、甘めな味付けの胡麻和えとも相性ばっちりです
ほうれん草より大きく、食べ応えがあり、大きなワカメを食べている感じがして、そうめんや冷やしうどんと一緒に食べたくなります
つるむらさきが合う料理をもう一品紹介します
つるむらさきだけじゃありませんが、ほうれん草と小松菜は脂で炒めると栄養の吸収率がアップし、炒め物にすると栄養バランスが良い献立のメニューです
ジャンル的に、ツルムラサキは青菜であり、空心菜の炒め物として食べるもよし。栄養アップに卵とい一緒に炒めてるのもありです!
電子レンジ⇒つるむらさきのゆで方と加熱時間は何分?
つるむらさきを電子レンジで簡単にレンチンして茹でた時と同じ感じにするときは『ラップをする』+『1束:150~200gのつるむらさき』に対して、電子レンジの加熱時間は2分30秒が目安です
つるむらさきの電子レンジのゆで方⇒ふんわりラップの温め方をもう少し詳しく説明します
【1】つるむらさき:1束をラップする
【2】つるむらさきを耐熱容器と一緒にレンジに入れる
【3】600W⇒2分30秒加熱する
電子レンジのつるむらさきのゆで方は上記の【1】~【3】になります
つるむらさきを軽く洗ってから、根元が長い時は切り落としてラップ⇒その後、電子レンジでチンしたら、茹でたつるむらさきと同じようになります
レンジでつるむらさきをゆでる時は『根元の茎は切らずにラップをして加熱』が正解、茎は加熱後にカットします
ただし、つるむらさきは「水で茹でると、ネバネバするのが美味しさの秘訣」ですので、つるむらさき独特のネバネバが自分に合わないな!と思う方は、電子レンジの方が良いかと思います
つるむらさきのゆで時間⇒茹でた時に失われる栄養はどのくらい?
葉野菜は茹でると栄養がない!栄養が水に溶けるとされ、つるむらさきも茹でたら栄養が失われてしまうのでしょうか
つるむらさきの生と茹でたツルムラサキの栄養を比較してみましょう
一般的に、つるむらさきのような葉野菜は茹でると「ビタミンC」が水に溶けてしまうという事態が発生します。理由は栄養とは「水に溶けるモノと溶けにくいモノ」があり、水に溶けちゃうと栄養がもったいない気がしますよね
ツルムラサキ | 生 | 茹でた後 |
βカロテン(ビタミンA) | 3000μg | 3400μg |
ビタミンC | 41mg | 18mg |
ビタミンB1 | 0.03mg | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0.07mg | 0.05mg |
ビタミンB6 | 0.09mg | 0.04mg |
こちらの表が、日本食品標準成分表を参考とした「100gあたり:つるむらさきの生と茹でた後の栄養」になります
日本食品標準成分表は「茹で時間が不明」ですが、ビタミンCが約半分になっています
ほうれん草、小松菜も3分茹でるとビタミンCは半分になりますので、「茹で時間:3分」で検証した結果かと思われます
ビタミンBも同じように、茹でると減っていますが、つるむらさきのビタミンBは
例⇒小松菜:ビタミンB1:0.09mg、ほうれん草:ビタミンB1:0.12mgと比べるともともと少なく、ビタミンBを多く摂取したい方には、ちょっと残念なお話です
つるむらさきで不思議な事は、茹でるとβカロテンが増えていますよね?
βカロテンとは簡単に言うと野菜の色素=濃い色の事であり、茹でても変わらないのが普通の野菜です
小松菜やほうれん草は茹でてもβカロテンの量は変わりませんが、なぜか、2020年度の日本食品標準成分表では茹でた後の方がβカロテンが増えております
つるむらさきを茹でると色が濃くなっている気もしますが、もともと持ってる色素が増える理由は不明です。
結論を言うと、つるむらさきは茹でたからと言って全部の栄養素がなくなる訳ではなくつるむらさきのゆで方は1分以内がベストだと言えます
つるむらさきとはどんな野菜?根が赤紫のやつは何?
つるむらさきとは、通称:インドのほうれん草の異名を持つ緑黄色野菜です。あまり国内で見かけない葉野菜ですが、実は、つるむらさきは「加良阿布比(からあふひ)」の名前で平安時代の書物⇒本草和名に出てきます
平安時代の加良阿布比(からあふひ)は、ツルムラサキではなく、タチアオイだと解釈もあり、定かではありませんが、1600年代の江戸時代の書物に「豆留牟良佐岐(つるむらさき)」の記録があり、あまり日本で見かけないけど、実は昔からあった野菜です
つるむさらき | 緑茎種 | 赤茎種 |
読み方 | りょっけいしゅ | こうけいしゅ |
花の色 | 白色 | 紫色 |
茎の色 | 緑色 | 紫色 |
つるむらさきは東南アジアから中国に多く、日本では福島県、宮城県、徳島県産のツルムラサキが有名です
つるむらさきは根元が緑の緑茎種、赤や紫色の赤茎種がありますが、
美味しいとされるのは緑茎種であり、日本で買えるツルムラサキはほとんど緑色の緑茎種です
赤茎種は咲く花が鮮やかな紫色、家庭菜園業界では「観賞用に育てる⇒最後に食べる」のが通な育て方で、好きな人は花を天ぷらにして食べていました^^
たぶんね、次に「ツルムラサキは毒はないよ!」というお話をしますが、
ツルムラサキに毒があると噂されたのは「花を天ぷらにして食べる⇒それ大丈夫なの?」という気持ちが、みなさんの中にあったのではないかと思われます
つるむらさきに毒性はあるの?
つるむらさきを見かけると、どんな野菜か分からないから買うのをやめておいたという方が多いかと思います
結論を言うと、つるむらさきは茎、葉の部分に毒性はなく、普通に食べられる葉野菜⇒むしろ、緑黄色野菜ですので栄養バランスアップにピッタリな食材です
部位 | つるむさらき | モロヘイヤ |
根元・茎 | 毒なし | 毒なし |
葉 | 毒なし | 毒なし |
完熟した種 | – | 毒性:有 |
種の周りのサヤ | – | 毒性:有 |
こちらが、ツルムラサキとモロヘイヤの毒性をまとめた表になります
ツルムラサキは独特のネバリがあり、茹でるとモロヘイヤに似ています。モロヘイヤは「完熟した種」と「種付近のサヤ」に毒性があり、食べるとめまい+嘔吐に襲われます
スーパーに売られているモロヘイヤは「茎」と「葉」のみで、一般には種とサヤは流通してません
このモロヘイヤの毒性のお話が、ツルムラサキに毒があると勘違いされ、つるむらさきに毒があるのかと心配された方は、特に、つるむらさきに毒性はないと思っていただければと思います
さて、今回はつるむらさきの食べ方⇒下ごしらえとゆで方のコツとテクニック、ツルムラサキの栄養など!美味しく食べるテクニックを紹介しました
珍しい野菜なので、あまり見たことがない方も、ツルムラサキは独特の粘りがあり、冷やしたお浸しや煮浸しにすると、冷たくて!暑い夏の日の夕飯メニューの一品に、めちゃくちゃ食べやすいです
みんなよく分からないから購入しない⇒夏が旬のツルムラサキがホウレン草や小松菜より安く売っている時は、チャンスです!葉がほうれん草より大きいのが多く、ガッツリ青菜を食べたい方向けだと思います