肉団子スープを常温放置:いつまで大丈夫?ダメな温度は?
肉団子スープを空気に触れた状態で常温に置くのは望ましくなく、常温保管はNGです。常温保管は短い時間、作ってから1~2時間が目途です。スープによそってしまったお皿も、必ずサランラップ等で菌や空気に触れない工夫がベターな方法です
しかし、1、2時間だから大丈夫と言っても、季節が夏であったり、部屋の温度によっては短くも長くもなります。次にあくまで経験則の目安と、温度と食中毒に関係する菌のお話を記述しますので、常温放置してしまった時の参考や判断基準の1つとして考えてみてくださいね
- 肉団子スープの常温保管
- 基本:望ましくなく、NGな保存方法
- 部屋の温度:20度以下で、約1~2時間
- 夏:1時間以上、常温で置かない
食中毒の原因となる菌は、稀に12度から繁殖する稀な菌もいますが、主に『20~40度の温度帯』と『40度以上』で大繁殖する事が多いです。温度が25度前後の温度で『1時間放置すると、ちょうど、菌が繁殖が始まる頃合い』と研究結果もあり、基本的に20度を超える温度の時は『フタをしても数時間程度が限界』、夏場や車の中の置き忘れは1時間以上、常温で放置しないのが鉄則です
家族が帰宅するまでといった短い時間なら『部屋の温度:20度以下』+『フタをする』とこの2つの事をして『約1~2時間が常温の目安』、食べるときは再加熱が必須です
肉団子スープの食中毒に多い菌:カンピロバクター、ウェルシュ菌とは?
- 再加熱:75度以上で1分以上の加熱
- 常温保管は3時間に1回の定期的な加熱が必要
食中毒対策として、保管した肉団子スープを食べるときは定期的に過熱する事が必要、常温であれば3時間に1回が目安です。例外的に、サルモネラ菌は、85度以上の温度が必要ですが、よく食中毒の原因となるサルモネラ(卵に多い)、病原性の大腸菌、カンピロバクター(生肉に多い)といった菌のほとんどは『75度以上で1分以上の加熱』で死滅します。
- 【1】生焼け肉に多い菌:カンピロバクター菌
牛レバーなど、生肉に多いカンピロバクター菌は「ひき肉の生焼け」に注意する必要があります。カンピロバクターは、常温状態ですと「死滅するまで、2、3日の時間」がかかる菌であり、高温に弱く低温に強い菌です。
低温に強い=10度前後が繁殖に好条件であり、この菌は「マイナス18度以下の冷凍でも、生肉の中で1ヵ月の間も耐久」する特徴があり、必ず「75度以上で1分以上の加熱で死滅」させる必要があります。
つまり、肉団子に使う「ひき肉」にカンピロバクター菌がいる場合を想定すると「肉団子をよく加熱→死滅」という手順を踏んでからでないと、冷蔵や冷凍中に繁殖する恐れがあるのです
- 【2】スープや煮込み料理に多い菌:ウェルシュ菌
肉団子スープの場合は、カンピロバクター菌以外では「空気のない場所を好むウェルシュ菌」に注意です。ウェルシュ菌も「75度以上で1分以上の加熱で死滅」します
しかし、ウェルシュ菌には2つのタイプがあり、「菌体(活動中の菌)」と「芽胞(活動する前の卵のような存在)」の状態がいます。菌体(活動中の菌)は、75度以上で1分以上の加熱で死滅しますが、問題なのは芽胞(活動する前の卵のような存在)です
卵のような存在というのは「卵の殻で熱を耐久する能力がある」とイメージしていただければ、わかりやすいかと思います。芽胞のウェルシュ菌は「100度の温度を6時間耐久する」と、沸騰させる方法では完全に退治できず、やっかいな存在です
「肉団子スープが冷める→50度前後の温度になる→菌体になる」という方法で、せっかく沸騰させて殺菌したのに、温度が下がると、新しいウェルシュ菌が生まれてきますので「肉団子スープの保存は、急速冷凍すると少し安心(すぐに50度以下に下がる為)」です。
ウェルシュ菌の繁殖の目安は「50度前後で新しいウェルシュ菌が発生する」+「3時間も常温で放置すると、かなりの量になっている」と考えるべきです。今回の鍋ごと保管を「1~2時間以内+食べる時に再加熱」を推奨しているのは、その為です